夫婦で1年育休取ってみた〜収入シミュレーション編〜【パパ育休】

子育て

一般的な年収の夫婦が育休を1年間取得すると、収入はどれほど減少するのか。果たして家計は持ち堪えられるのか。

筆者宅では夫婦2人で1年間育休を取得することにしたので、育休期間を迎えるにあたって”収入シミュレーション”をしてみたい。

夫婦2人での育休取得やパパ育休の活用を検討している方の参考になれば幸いだ。

筆者宅の現状

まずは、筆者宅の現状についてお伝えしよう。

  • 夫婦年代:Z世代
  • 勤務形態:夫婦共働き(両者とも正社員)
  • 世帯年収:1000万円
  • 資産管理:お財布は別々
  • 出産予定:第一子目
  • 育休取得形態:夫婦2人で1年間育休取得予定

世帯年収は高くもなく、かといってカツカツというほどでもない、共働き世帯として一般的な額だろう。

主な保有資産としては、現預金以外に株式・暗号資産・不動産くらいで、夫婦各自で無理せずやりくりしている。時にはリスクを取りつつも、基本的には身の丈にあった生活を心がけているつもりだ。

また、我々夫婦は昇進願望のようなものは一切なく、仕事はほどほどにプライベートを充実させたいと考えるタイプだ。

そんな筆者夫婦が、第一子の誕生にあわせて1年間フルで育児休業を取得するに至ったのは、以下の2つの理由がある。

  • 育休は”夫婦で取得したほうがお得”と考えたから。
  • 仕事のことは忘れて育児に専念したいから。

育児休業を取得すると、ほとんどの会社でその間は給与が支払われず”無給扱い”となる。もれなく筆者夫婦もそうであり、実際「休みたいけれど、給与が出ないから諦めざるを得ない」と考えるご家庭も多いはずだ。

一方、国の支援制度に目を向けてみると、現代の日本では夫婦ともに育休が取得しやすい環境が整いつつある。特に少子化が国家的課題となっている中、独身世帯には厳しく、子どもを産み育てる世帯には経済的に優遇する政策が次々と打ち出されている。そのため、後者の立場が使えるのであれば、これを生かさない手はない。

調べてみると、育休期間は国から給料の一部が給付金によって支払われる制度のほか、多数の手厚い支援策があることがわかり、制度を余すことなく活用できれば”夫婦で取得した方がお得”だと考えたのである。

そして、子どもはすぐ成長するというが、肝心な時期に親とのコミュニケーションの機会をもっておかないと、少なからず成長に影響を及ぼすはずだ。もちろん、夫婦で育児をサポートし合いながら、親として子どもの成長を間近で感じたいというのもある。

上記のことから、夫婦2人で育休をとるメリットは大きく、夫婦一方が育休を取るよりもはるかに良い選択だろうという結論に至った。今の職場で育休がとれるのかという問題もあるが、筆者は「権利は主張すべき」と考えるタイプなので、この点は特に心配不要だ。

もくもく
もくもく

夫婦での育休取得は、自分にも家族にもメリットが大きいと考えたよ!

とはいっても、やはり収入不安がないわけではない。そこで、まずはどんな支援制度があるのかをみていきながら、具体的に出産〜育休期間の収入を想定してみたい。

どんな制度があるの?

妊娠中に受けられる制度

  • 妊婦健診の助成
  • 出産・子育て応援給付金(妊娠時5万円)

妊娠中には、母親と赤ちゃんの健康状態を確認する妊婦健診がある。もちろん診察にかかる費用は発生するが、母子手帳の交付後に、健診費用の一部を計14回程度助成してもらえる。

さらに、妊娠時に5万円・出産時に5万円の計10万円がもらえる「出産・子育て応援給付金」制度が令和7年より創設された。本制度は、妊娠〜子育て期間の伴走型相談支援制度の一環であるため、面談やアンケート回答が必要ではあるが、新生児用グッズを揃えるにもお金がかかるため10万円の支給はありがたい。

もくもく
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出産・子育て応援給付金の運用は各自治体によって異なるので、お住まいの自治体HPをチェックしてね。

出産時に受けられる制度

  • 出産育児一時金(50万円)
  • 出産手当金(給料補填)
  • 出産・子育て応援給付金(出産時5万円)

「出産育児一時金」は出産時に支給される給付金だ。子ども1人あたり50万円が支給される。

2024年度上半期の出産にかかる費用の平均は約51万8,000円とされているため、出産費用の大部分はこの給付金でカバーできる。

もくもく
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無痛分娩の場合には、プラスで10〜20万円程度の自己負担が発生するよ。

「出産手当金」は、産休中に会社から給与が支払われない(もしくは減額される)場合に、勤務先の健康保険から支給される手当だ。出産日以前42日〜出産日翌日以降56日まで支給され、非課税・社会保険料免除のため、実質的に休業前の約8割の手取り額が保障される。

育児中に受けられる制度

  • 育児休業給付金(給料補填)
  • 出生時育児休業給付金(産後パパ育休利用時)
  • 児童手当(1.5万円/月)

「育児休業給付金」は母親・父親ともに受けられる制度で、この給付金が育休期間の収入のベースとなる。1歳未満の子を育てるために育休を取得すると支給され、給付率は180日まで賃金の67%・181日目からは50%だ。

給料が6割〜半分になるの?と心配になるが、出産手当金と同様に非課税であり、社会保険料免除のため、手取り額は休業前の約8割〜6割相当となる。

さらに、夫婦2人で育休を取得すると、最初の28日間は「出生後休業支援給付金」(13%)を上乗せできるので、約1か月は手取りの10割相当が保障される。

名前が似ていてややこしいが「出生時育児休業給付金」は、いわゆる産後パパ育休を取得した場合にもらえる給付金だ。筆者のようにパパが1年間フルで育児休業を取得する場合には、基本的には育児休業と同じであるため、この制度をあえて使う必要はないと思われる。

こちらは、2回に分割して取得することが可能であったり、申出期限が2週間前までと遅くてもよいため、通常の育児休業よりもパパにとって取りやすい制度となっている。

もくもく
もくもく

昔よりパパも育児に参加しやすくなったね!

「児童手当」は子どもを養育する家庭に支給される給付金で、子どもが18歳になるまで養育者に支給される。支給額としては子ども1人につき3歳未満なら月1.5万円・3歳以上なら月1万円。第3子以降は全年齢で子ども1人につき月3万円が支給される。

そのほか活用できる制度

ほかにも、1年間の医療費が10万円を超えた場合に活用できる医療費控除、帝王切開の場合など自己負担限度額を超えた額が払い戻される高額療養費制度、各自治体で実施する子育て支援制度が活用できる可能性がある。

では、これらの制度をフル活用すると、毎月の収入は具体的にいくらになるのか。世帯年収1000万円の筆者夫婦の状況をもとに、収入シミュレーションをしてみたい。

収入シミュレーションをしてみた

一時金の収入

まずは、夫婦で一時的にもらえるお金についてみていこう。

  • 妊婦健診の助成:105,000円(全国平均)
  • 出産・子育て応援給付金:100,000円
  • 出産育児一時金:500,000円

705,000円程度

これらの一時金については、基本的には健診や出産費用で相殺されるため、収支としてはトントンになるだろう。

妊婦健診の助成については全国平均で105,000円となっているが、健診費用の一部助成という自治体が多いため、約6〜7万円程度の自己負担が発生するのが一般的だ。

継続的な収入

続いて、出産〜育休期間中に夫婦で受け取れる収入を試算してみたい。筆者の妻は産休が有給扱いであるため、出産後の3か月目から育休関連の給付金を取得すると想定する。

<各月の手取りイメージ>

1か月目:585,000円←パパ育休開始
2か月目:493,920円
3か月目:432,572円←ママ育休開始
4か月目:396,900円
5か月目:396,900円
6か月目:396,900円
7か月目:349,980円←パパ給付率が50%へ減
8か月目:349,980円
9か月目:300,000円←ママ給付率が50%へ減
10か月目:300,000円
11か月目:300,000円
12か月目:300,000円

→年間手取り:4,602,152円 (非課税・社会保険料免除)

あくまで筆者宅の状況で試算しているが、世帯年収1000万円の夫婦が1年間育休をとった場合の年間手取りは4,602,152円(非課税・社会保険料免除)となった。(この金額には一時金を含んでいない。)これまで年間700万円程度の手取りがあったことを考えれば、250万円程度の減額となる。

筆者の正直な感想としては、収入減はあれど、1日も出勤しないでもらえる額としては「思ったよりも多い」という印象だった。出産や子育てで出費が嵩むとはいえ、生活できないレベルではなく、1年間夫婦でサポートし合いながら家族との時間を大事にできるのであれば、メリットは大きいのではないだろうか。

特に、はじめての子育てならパパ・ママ24時間体制で協力できるのは心強く、育児の負担軽減にもつながるはずだ。また、パパも育児休業をとることで、パパも主体的に育児に向き合う気持ちが強くなるだろう。

自分にも家族にもメリットが大きい育休制度を、夫婦2人で活用してみてはどうだろうか。