正社員なら将来安泰?今や、それは幻想なのかもしれない。
今回の記事では従来の常識的な価値観を一旦忘れ、正社員で働き続けることのリスクについて考えてみたい。
正社員はリスクが高い理由
「正社員」というと、どのようなイメージがあるだろうか。
収入が安定している?簡単にクビにならない?
確かに、正社員は毎月一定額の収入を得ることができる上、福利厚生が手厚く、長期雇用が保障されているという極めて大きなメリットがある。将来が見通しやすく社会的な信用力も高いので、正社員になりたがる人が多いのも頷ける。
しかし、一歩引いて考えてみると、正社員であることのメリットは”過大評価され過ぎ”のようにも思える。むしろ、正社員1本で食い繋いでいくことは非常にリスクが高く、メリットをうまく乗りこなせる人でなければ、定年まで搾取され続けるだけの「会社に都合の良い存在」に成り下がる危険性もある。

正社員になれば生涯安心って思っていたけれど…。
では、なぜそのようにいえるのか。
最も大きな理由は、自分の収入の100%を勤務先の業績や評価に委ねている点だ。会社の業績・評価が良ければ給料やボーナスが上がる期待もある反面、業績・評価が悪ければ給料が上がらなかったり、場合によっては下がる可能性もある。
投資に詳しい方ならご存知だと思うが、リスクを減らすためには「分散投資」が基本だ。収入を勤務先の収入一本に依存していると、自分の人生の運命を会社に預けているようなもので、極めて危険な状態といえる。
さらに、正社員である以上、収入が上がる可能性に自らリミッターをかけてしまっている点も問題だ。どれだけ会社に貢献したとしても直ちに収入に反映されることはなく、労働成果は基本的に会社の利益として計上されて終わってしまう。
もちろん適正な労働対価を得られているのであれば問題ないが、そうでない会社がほとんどであろう。会社は営利目的である以上、自社の利益を上げることが最優先事項であり、労働者の不満が噴出しない程度に人件費を抑えることが経営者に課されたミッションだからだ。
このように正社員1本に依存していると、低賃金でいつまでたっても収入が上がらず、貯蓄も増えないため、嫌でも勤務し続けなければならない「負のループ」に陥ってしまう。今の仕事を辞めたくても辞められなかったり、結果的に時間だけが経過し転職活動がしにくくなるなど、身動きが取れなくなってしまいかねない。
まさにこれこそが正社員であることの最大のリスクであり、筆者が警鐘を鳴らす理由でもある。
「正社員リスク」を下げるために必要なこと
では、上記のような「正社員リスク」をできる限り回避するためには、私たちは何をすればよいのだろうか。
ここでは、今から私たちが取れる選択肢として3つの方向性を提示している。いずれの選択肢が自分に向いているか、考えてみていただければ幸いだ。もちろんここで列挙したものが全てではないので、ぜひ自分のライフスタイルに合った方向性を確立してみてほしい。
正社員メリット享受型:正社員依存100%の生き方
正社員はリスクがあると理解しつつも、それを許容して生きていくことは可能だ。昭和や平成のサラリーマンはこうした生き方が主流だったため、親世代にとっては違和感のない稼ぎ方であるはずだ。
もちろん、筆者はこうした生き方を否定するつもりは一切ない。むしろ、その人が正社員であることのメリットを最大限享受できるのであれば、非常に良い選択にもなる。
例えば、正社員なら雇用主が簡単にクビにすることはできないので、仕事を適度にサボりつつ、ゆるく続けることができれば非常にコスパが良い稼ぎ方だ。
さらに「正社員である」という社会的地位や信用は代え難いものがある。そのため、正社員という身分を保障されながら休業ができたり、正社員というだけで住宅ローンが組みやすいという大きなメリットがある。
これらのメリットを最大限活かせるのであれば、正社員依存度が100%であったとしても、その人にとっては向いている可能性が高いだろう。

権利を主張でき、要領が良いタイプであれば向いているかも?
トリプルインカム型:本業+副業+資産形成でリスク分散
正社員のリスクを抑えつつも収入アップを期待できる、筆者が以前からおすすめしている手法が「トリプルインカム型」だ。
端的にいうと、収入の100パーセントを本業(勤務先の収入)に依存することはリスクが高すぎるので、そのリスクを分散しようという戦略である。具体的には、以下の3つからそれぞれ収入を得て、本業の依存度を下げることを目指していく。
- 本業収入:勤務先の収入
- 副業収入:自分の関心のある分野で副業・起業
- 資産収入:株式・不動産・暗号資産投資による収入
例えば「本業収入4:副業収入3:資産収入3」といった形で適度に分散させることができれば、万が一本業からの収入が途絶えたとしても、そのダメージを最小限に抑えることができる。また、副業の収入が伸びていけばそちらを本業に据えることもできるし、資産収入ではお金に働いてもらうことで不労所得にも期待ができる。
本業を続けることによる正社員のメリットを活かしつつも、収入のジャンプアップを狙える”バランス型”の戦略といえるだろう。万が一副業や資産形成に失敗したとしても、正社員であるという保険があるため、極めてリスクが低いのが特長だ。
トリプルインカム戦略については、以下の記事でもさらに詳しく解説している。
チャレンジ起業型:起業+資産収入で収入の大幅アップを狙う
本業と副業の両立はなかなか難しい。そこで、いっそのこと正社員による本業収入を捨てて、起業と資産形成にフルベットし一発逆転を狙う選択肢もある。
いわゆる「起業家タイプ」はこういう人が多いと思うが、これはこれでリスクが高いので、アルバイトや兼業など掛け持ちをすることでリスクを低減するとよいだろう。
また、この選択を取る際には、生活防衛資金(6か月程度収入がなくても生きていける現預金)は最低限確保しておく必要があるだろう。万が一失敗した際に「資産ゼロ」状態に陥れば、再起不能となってしまう。
Z世代正社員が今すぐやるべきこと
ここまでは、正社員であり続けるリスクと、私たちが取り得る3つの方向性について検討してきた。自分がどの方向性に向いているか漠然と見えてきた方もいるだろうし、全くイメージがつかない方もいるかもしれない。
もちろん、自分に合ったスタイルが明確であったり、それがすでに確立されている人であれば、淡々と実行していけばよい。
だが、そうでない方や将来の方向性に迷いがある方におすすめしたいのは、2番目に挙げた「トリプルインカム型」だ。今の正社員を続けて本業収入を得ながらも、副業や資産収入の割合を増やすことで、収入アップを狙いリスク分散が可能なバランス型である。自身の将来像が定まっていない方をはじめ、多くのZ世代におすすめできる。
今からやるべきことは2つ。まずは、本業の合間を見て副業の準備を始めることだ。自分の興味・関心のある分野や、自分の強みを活かせる分野でビジネスとして成立し得るものはないかを考え、取り掛かってみる。
それと並行して、資産形成も始めていこう。株式投資や暗号資産投資など、今後成長が期待できる分野に積極的に資産を移転をしていく。正社員のメリットを活かして、住宅ローンで資産性のあるマイホームの入手も検討するとよいだろう。
「正社員であれば生涯安泰」そんな”神話”は、もう過去の話かもしれない。
激動の時代においては世間の常識を疑い、自分の目指すべき方向に自らの意思で進むことが大切だ。旧来的な価値観に凝り固まらず、新しい価値観や考え方へ日々アップデートしていくことが、これからのAI時代を生き抜く秘訣であろう。






