楽天モバイルのMNO参入を皮切りに、”格安競争”が激化する携帯業界。
大手3大キャリアもahamo・povo・LINEMOといった格安プランを用意し、顧客の囲い込みに必死だ。
筆者もdocomoの提供するahamoを使っていたが、「とある理由」をきっかけにauの提供するpovo2.0に乗り換えた経緯がある。
今回は、ahamo→povo2.0に乗り換えてから1年が経過したので、実際に乗り換えてみてどうだったのか、比較してどうか、忖度なしの正直レビューをお届けしたい。
サブブランドってどう?
まず、基本的なことだが、ahamoやpovo、LINEMOといったプランは、大手キャリアの「サブブランド」的な立ち位置だ。
特徴としては、安くて高品質、かつ大容量のデータを提供している点だろう。
また、基本的にはオンライン上での申し込みやサポートを前提としており、窓口での案内は限定的なものとなっている。
このように、デジタルネイティブ世代に向けたプランとして、楽天モバイルを加えた大手4社が熾烈な争いを繰り広げている。
まず、契約手続きの面においては、筆者はahamo・povoのどちらもオンライン上で契約をしたが、普段からネット上での手続きに慣れている人であれば、抵抗なく契約ができるとは思う。
むしろ、大手キャリアのメインブランドは”過剰なサポート”が付帯したプランともいえ、「サポートはいらないから安くしてくれ」という若い世代の声を反映した、理にかなったプランとなっている。
また、MVNOとは違い、大手キャリアが自前で用意している点においても、メイン回線として安心して使い続けられる要素の一つといえる。
ahamoからpovo2.0に乗り換えた経緯
先ほど述べた通り、筆者はahamo→povo2.0に「とある理由」で乗り換えた経緯がある。
それは、docomo回線の品質があまりにも悪く、繋がりにくい状態や通信不可の状態が頻発し、日常の通信に支障をきたしていたからだ。
特に、ターミナル駅の構内や人口が密集している場所での通信品質が著しく悪く、まともに使えないレベルであった。
致命的だったのは、会計の際にバーコード決済が使えないことで、そのたびにカードや現金を取り出すことがストレスだった。
こうしたことから、これまで長らくdocomo回線しか使ったことがなかった筆者だが、他社回線への乗り換えをはじめて検討するに至った。
他社回線を比較する中で、ahamoや楽天モバイルに比べて安定した通信が期待でき、自由にプランをトッピングできる点が圧倒的で、筆者のメイン回線としての利用用途においては”povo2.0一択”であった。
ahamo→povo2.0に乗り換えた正直な感想
それから1年。実際にahamoからpovo2.0に乗り換えてみてどうだったか。
結論から言うと、「かなり満足(100点満点中95点)」という感想だ。
というのも、ahamoの時に不満だった通信の品質が圧倒的に改善し、日常のちょっとしたストレスから解放されたことが大きい。
例えば、都市部のそこそこ人口が密集している地域において、平日昼間に通信速度を測ってみたところ、ダウンロード・アップロード共に十分な速度が出ていることがわかる。
5Gの恩恵を感じられるほどの”爆速”というわけではないが、通常の用途においては一切引っかかりがないレベルだ。
ahamoを利用していた際には、5Gのマークが表示されているにもかかわらず繋がらないケースが多発し、思わず「3Gでもいいから繋がせてくれ!」と叫びたくなることもあった。
その点、au回線は非常に優秀で、人口密集地や地下でも安定した通信品質を保っており、日常生活で不便さを感じることはほとんどなかった。
ほかにも、ahamoではアプリの頻繁な強制アップデートが求められストレスに感じていたが、povo2.0はアップデートの頻度が少なく、こちらもストレスが軽減できたように感じている。
また、povo2.0のアプリは直感的で使いやすく、残りデータ容量の表示やトッピングの画面もわかりやすい。
さらに、dアカウントのダメ仕様から解放されたことも大きい。(「ネットワーク暗証番号」という、認証に何度か失敗すると強制的にロックがかかる”迷惑機能”が搭載されていないのもよい)
料金面においては、その人の利用状況に合わせたトッピングができ、必要な時だけピンポイントで購入することができるのはメリットだ。
筆者は、365日で180GBまで使えるプラン(15GB/月換算)を契約している。
auと同等の通信品質を保ちながら、税込22,000円(税込1,833円/月)であればコスパは非常に良い。
また、キャンペーンをうまく組み合わせれば、同じ料金でさらに多くのデータ容量をもらえることもある。
正直、「なぜあんなに我慢をしてahamoを使い続けていたのだろうか」と自分に問うてしまうほど、povo2.0に乗り換えたメリットを感じている。
povo2.0の気になるところ
一方、気になるところがないわけではない。
まず、速度や引っかかりという面では不満はないものの、うっかり上限容量を超えてしまったり、使用期限を切らせてしまった場合、途端に通信速度が遅くなる点は注意が必要だ。
データ量超過後は128kbpsで使えると記載はあるものの、実質的には圏外といっても差し支えはない。
肝心な時に“トッピング忘れ”をしてしまうと悲惨な目に遭うので、「オートチャージ」設定は忘れずにしておく必要がある。
また、余らせたデータ容量についても、繰越ができない点は残念だ。
そのため、自分がどのくらいの容量を使うのかを把握していないと、不必要に高いプランを購入してしまい、かえって料金が高くついてしまうこともある。
そういう意味では、自分の使うデータ容量をきちんと把握し管理ができる「上級者向け」ともいえるだろう。
それから、iPhoneのコントロールセンターでは通信回線が「au」ではなく「povo」と認識されるのも、自社ブランドの差別化の一環なのだろうか。(ahamoでは「docomo」と表示される)
povo2.0を継続する?
では、実際に1年間使ってみて、筆者は今後もpovo2.0をメイン回線として使い続けるのか?
ここまでの流れからもわかるように、しばらくは継続して使い続けようと考えている。
乗り換えるまでは、「docomo=最も通信品質が良い」という固定観念があり、au回線に乗り換えることには抵抗があった。
しかし、いざau回線を使ってみると、これがいい意味で裏切られた。
安くて高品質な通信環境を整えたい人、データを自己管理できる人、コスパを重視する若い世代にとっては非常におすすめのプランとなっている。
料金だけでいえば、さらに安いプランを提供しているMVNOもあるが、「メイン回線として使えるクオリティーを保ちつつ、この価格」なのであれば、十分に納得ができるといえるだろう。