今の幸せをとるか?将来の幸せをとるか?
手取りが増えず物価ばかりが高騰するこの時代。入社したての収入が少ないZ世代にとっては、特に難しい問題だ。
今回はそんな悩みを抱えるZ世代に向けて、常識に囚われず、今の生活と将来の自由を両立できるお金の使い方について考察していきたい。
「今」も「将来」も犠牲にしない
幸せはお金では買えない?
そう思いたい気持ちもわからなくはない。
もちろん、お金持ちだからといって幸せとは限らないし、お金がなくても幸せに生きている人はたくさんいる。
ただ、現実問題として、ある程度の自由や選択肢を得ようと思えば、そこそこの資金は必要である。
金銭的な余裕がなければ将来的に自分がやりたいこともできないし、日々不安を感じながら生活することとなれば、今の生活のQOLまで下がってしまう。
「お金がなくても幸せ」は理想だが、現実に目を向ければ、資産は多ければ多いほど選択肢が広がるのも事実である。
そこで、今の幸せを確保しつつ将来の選択肢も閉ざさない、最適なお金の使い方を考えてみよう。
考え方としては、以下の流れを意識したい。
<考え方>
①中長期的なビジョン・理想の生活をイメージ
②生活防衛資金の貯蓄
③投資
④収入−投資額=消費可能額
まずは、将来に向けた中長期的なビジョンや、自分が理想とする生活をイメージすることから始めてみよう。
「目先のことで精一杯。将来のことなんて考えられないよ!」という気持ちもよくわかる。
だからこそ、あまり難しく考えず直感で良い。例えば、仕事に縛られない人生を生きたいのか、それとも、ガツガツ仕事をこなしていきたいのか。
子どもができて家族生活を充実させたいのか、あるいは、シングル・DINKsとしてゆとりある生活を送りたいのか。

仕事は週3〜4日程度でほどほどに。ゆとりあるプライベートを送りたいな!
出てきたイメージを元に、”理想像”に向けて必要な資産額や収入を大雑把に計算してみよう。
例えば、1か月の生活費が20万円だと仮定すれば、年間240万円が必要。
そうすると、2400万円あれば10年間は生きていけることになる。
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現実は厳しいねぇ。
こうしてみると、現実問題として、ある程度のお金がないと理想には近づけないことがわかる。
子どもが欲しいという方や、毎月の支出がさらに高い方にとっては、なおさらだ。
では、自分の理想像を諦める必要があるのか?
結論から言えば、そのような必要は一切ない。
すぐに実現するのは難しくとも、若いうちに許容限度ギリギリまでリスクを利かせて、着実にリターンをとりにいくことができれば、理想像に近づける可能性は高くなる。
生活防衛資金を現金で確保
若いうちにはレバレッジを効かせて、できる限りリスクを取ることが重要。
とはいっても、リスクをかけすぎて失敗し、取り返しのつかない事態になることは避けたいところ。
そこで、大前提として「生活防衛資金」は現金で確保しておく必要がある。
具体的には、半年〜1年程度、収入がなくなっても生活ができるくらいの現預金を手元に置いておきたい。
これは、リスクを取る上での大前提だ。
万が一病気になった時、失業した時など、人はいつ何があるかわからない。
最低限の安全資産を持っておくことで、金銭的・心理的な安心を確保しておこう。
積極的な”投資”で将来を自由に
生活防衛資金を貯蓄したら、残りは積極的にリスク資産(投資)に回していきたい。
特に、日本人の傾向としてリスクを取りたがらない人が多いように感じるが、これは非常に勿体無いことだ。
適切にリスクを取ることができれば、単なる労働では得られない”副収入”にも期待ができる。
インデックス投資は必須
資産形成にあたって、必須とも言えるのが「インデックス投資」だ。
オルカンやS&P500をベースにしつつ、Nasdaq100やFANG+指数に連動したハイリターンが期待できる投資信託も積極的に取り入れたいところ。
若いうちに積極的にリスクを取り、時間を味方につけて資産を着実に増加させる。
仮に、経済不況で一時的に資産が目減りしたとしても、その時に売らなければよいだけだ。
マイホーム投資
さらに、若年層に積極的におすすめしたいのが「マイホーム投資」だ。
投資用物件の運用とは違い、ここでいうマイホーム投資とは、あくまで「自分の家を買うこと」である。
なぜ、自分の家を買うことが、投資につながるのか?
これについては以下の記事で詳しく解説しているが、端的に言えば、家は生きていくために必要なものであるうえ、資産性の高い家を買うことができれば「リスクは限りなく低い」からだ。
今賃貸で家賃を支払い続けているのであれば、極めてもったいない。
マンション価格が上昇するなか、早いうちに住宅ローンを走らせ、残債を減らすことができれば、将来の住み替えもしやすくなる。
若いうちから住宅ローンを組むのが不安?
筆者も25歳でマイホームを買う経験をしているので、参考までに記事を載せておきたい。
自己投資
「自分自身」への投資も非常に重要だ。
ほとんどの仕事がAIにとって置き換わると言われるこの時代。「自分自身がAIに代替されない」ということが重要になってくる。
今は当たり前にある職業が、10年後にはなくなってしまうかもしれない。
そのような中で、自分自身が労働市場において優位性を維持するためには、”AIではできない技量や能力”を持っている必要がある。
AIでは生み出せない「付加価値」を生み出せる存在になれるかどうか。
今、どれだけ自分自身に投資できるかにかかっているともいえる。
時間への投資
自己投資や休息にリソースを割くためには、時間を確保することが必要だ。
そこで、積極的に活用したいのが、「時短家電」である。
具体的には、ロボット掃除機・ドラム式洗濯機・食器洗い乾燥機といった類のものである。
筆者の自宅でもロボット掃除機の「ルンバ」が床掃除を代わりにやってくれる。
人生を豊かにできるかどうかは、掃除や洗濯、食器洗いといった生産性のない家事はできる限り減らして”タイパよく”立ち回れるかがカギとなる。
”消費”で今の幸せを
将来に向けた投資の重要性をお話ししたが、一方で消費活動がなくなれば「今」の人生を楽しむことができなくなってしまう。
筆者は、決して何でもかんでも投資に回せばいいと言いたいわけではない。
むしろ、投資をした上で余力がある部分については、今のQOLを上げるために、積極的に消費に回して良いと考えている。
健康で文化的な生活のための消費
まず、優先的にお金をかけるべきなのは、食事や日用品といった生きていくために欠かせないものに対する消費だ。
ここは、当然ケチってはいけないところ。
その上で、余った分で贅沢な食事やスイーツを楽しむのもいいだろうし、年に1回旅行に行っても良い。
そういった息抜きがなければ、投資を楽しく継続することも不可能になってしまう。
投資で「将来」の安心を、消費で「今」の幸せを得る。
この適度なバランスが取れていれば、両立は可能である。
消費にも投資の視点を
消費活動においては、ステップアップをして、より大きなお金をかけたい場合もあるだろう。
特に、お金のかかる趣味を持っている人にとっては難しい問題だ。

車も欲しいし、時計も欲しいよ〜!
このような場合、出口戦略を踏まえて購入するなど「消費にも投資の視点を併せ持つ」ことを意識してみてはどうだろう。
高価な商品であったとしても、リセールバリューに期待できる商品であれば、売却時にお金が戻ってくる。
一時的な出費は大きくとも、あえてブランド品を購入するのもよい選択肢になるかもしれない。
まとめ
今回はZ世代に向けて、今も将来も犠牲にしないお金の使い方について考察した。
自分の将来の理想像を立てた上で、まずは半年〜1年程度、収入がなくても生活できる程度の「生活防衛資金」を現金で確保しよう。
インデックス投資・マイホーム投資・自己投資などを通じて将来の選択肢を増やしつつ、残ったお金で消費活動をし、今の生活を充実させることも忘れない。
大きな額の「消費」には、リセールバリューなど「投資」としての視点も併せ持つこと。
これにより、日常の幸せと将来の安心を両立することが可能となるのである。