「夏休みの読書感想文が苦手」「就職活動の選考で小論文があるけれど、時間内に書ききれない」など、作文に苦手意識を持っている人は多いだろう。
それは、あなたに作文を書く才能がないのではなく、”コツ”を知らないだけ。
この記事を読めば、誰でも30分で完璧な作文を書くことができるようになる。
さらに、他の人との差別化ができる、埋もれない作文の書き方を徹底解説していくので、最後まで要チェックだ。
作文の出来は「時間配分」が9割
まず、制限時間がある作文(就職活動の小論文など)において一番大切なことは、筆を走らせることではなく、”適切な時間配分ができるかどうか”だ。
時間配分さえ適切にできていれば、構成を考える時間・筆を走らせる時間・文章を校正する時間がそれぞれ確保できる。
言い換えれば、「限られた時間をマネジメントする力」が、作文の出来において最も重要ということだ。
よくある”失敗例”は、原稿用紙を渡され、思いつきで書き始めてしまうこと。
初めからマスを埋めてしまえば、途中から修正が効かなくなったり、話の方向性が逸れていきがちだ。
原稿用紙を渡されたら、必ず「与えられた時間の3分の1は構成を考える時間に充て、原稿用紙の余白にメモをすること」に費やしてほしい。
(夏休みの読書感想文など時間制限がないものについては、3分の1といわず、構成にもっと多くの時間を費やしてもよい。)
制限時間が30分であれば、うち最初の10分間は原稿用紙のマス目には何も書かないということだ。
この段階では、原稿用紙の余白や裏面に、作文全体の方向性(概要)をポイントに絞って書いてみよう。
例えば、作文のお題が「家族」だったとする。
前述の通り、いきなり「私の家族は、…」などとマス目に書き始めてしまうのは、御法度だ。
まず、構成を考えながら、原稿用紙の裏面や四隅にメモを書いてみよう。
例えば、「10才の時父が初めて東京に連れていってくれた→東京で見た夜景が綺麗で感動→東京に憧れを持つようになった」という、ざっくりとしたストーリーを立てて、隅に書く。
これはあくまでメモだから、思いついたことや気に入ったフレーズを、次々に書き足していってみるとよいだろう。
ここまでできれば、すでに作文の方向性は定まった。
あとは、残り20分でメモをした構成に沿って言語化し、筆を動かすだけの作業だ。
中には、「30分しか猶予がないのに、そのうち10分も構成に回したら書く時間がなくなってしまう」と思うかもしれないが、そんなことはない。
途中からの軌道修正は時間と労力がかかるため、かえって遠回りになってしまう。
作文はとにかく「急がば回れ」だ。
特に、試験会場などでは、周りが鉛筆を走らせる音で焦ってしまうかもしれないが、自信を持ってほしい。
構成にしっかりと時間を費やしている時点で、いきなり文章を書き始めてしまう周りの人に比べて、すでに圧倒的な「差」をつけているのだから。
構成の割合をマス目に書く
ここまで構成ができれば、あとは「仕上げ」段階と言ってもよい。
いや、まだマス目に一文字も書いていないって?
大丈夫だ。まず、空欄の原稿用紙を見てみよう。
字数制限がある場合は、鉛筆で薄く起・承・転・結の目安ラインを書いておこう。
大切なのは、この目安ライン以上書いてしまうと、次以降の展開に影響が出てしまうということを、自分の頭で認識しておくことだ。
もちろん、書いていて思ったよりも足りなかった・書き過ぎたという項目も出てくるだろう。
その場合は、他の項目で調整しながら進めていく必要がある。
例えば、最初の「起」にあたる段落を当初の予定より書きすぎてしまった場合は、「承」の段落では、簡潔にまとめるといった調整が必要になる。
この場合、より同義語のより短い単語を使う、2つの文を1文にまとめるという方法を使い、文章をコンパクトにまとめる工夫をしてみよう。
書き出しは「おっ」と思わせるものを
では、作文のとっかかりは何から始めようか。
例えば、先ほどど同じく「家族」をテーマにしてみる。
「私の家族は、…」というのは、書き出しでやってはいけないパターンだ。
大切なのは、「第一印象」にあたる冒頭部分で、読者をいかに惹きつけられるかということ。
例えば、こんな書き出しはどうだろう。
「まるで宝石箱じゃないか。初めて見た東京の夜景に、私は思わず目を奪われた。思い返せば、父は…」
明らかに、読者を惹きつけるパワーが違うだろう。
埋もれない文章を書くためには、つかみが非常に大切なことがわかる。
「おっ」と思わせる書き出しで、退屈そうな読者に”緊張感”を与えてみよう。
構成に沿って手を動かす
冒頭部分ができたら、先ほどの起・承・転・結の目安ラインに沿って文章を作っていく。
原稿用紙の裏面や四隅にメモした構成通りに書き進めていけば問題はない。
ただし、書き進める際に注意したいポイントがいくつかある。
まずは、一つの作文内でできる限り「同じ言葉を繰り返し使わない」ということ。
例えば、「貢献する」という言葉を繰り返し使いたい場合でも、「貢献する」と「寄与する」で使い分けるといった工夫が必要になる。
少なくとも、同一段落内では同じ単語を使わないようにしたい。
こうすることで、文章が単調にならず、読者に”退屈さ”を与えずに済む。
次に、できる限り「稚拙な言葉を使わない」こと。
例えば、「なので」「だから」を文頭に使うと、文章が幼く見えてしまう。
これを「そのため」と変換できれば、より質の高い文章に見せることができる。
また、ある程度筆が進んだら、「段落ごとに読み返す」ことを習慣化してほしい。
書いている段階では良いと感じる文章でも、読み返すと違和感がある場合が多い。
段落ごとにこまめに確認をしていれば、最後に大幅な修正が必要になるような”悲劇”は避けられる。
最後に微調整
ここまでできれば、作文の9割は完成したようなものだ。
あとは、文章の全体を読み返してみて、矛盾点や違和感のある部分を適宜修正していく校正作業に入る。
残り時間に対して大幅な修正が必要となってしまう場合には、同義語を駆使しより軽微な修正で済まないか考えてみるとよいだろう。
文章をさらに「差別化」する
ここまでできれば、少なくとも人並み以上の作文は作れているはずだ。
では、他の人とさらに差別化するにはどうしたらいいだろうか?
ここからは、とっておきの作文テクニックをお伝えしたい。
ただし、必須ではないので、作文に慣れてから取り組んでみるとよいだろう。
一つは、お題を「直接的ではなく間接的に絡ませる」という手法だ。
例えば、先ほどの「家族」がテーマであれば、「家族」をメインに書くことはしない。
すなわち、「家族」はあくまでも添えるだけの、間接的に絡むものにするということだ。
こうすることで、読み手に「いつお題の「家族」の話が出てくるのだろう?」と、意図的に興味を惹かせる文章を作ることが可能となる。
よほどの厳密なルールが定められたお題でない限り、大抵の場合は、お題に多少なりとも触れていれば問題はないはずだ。
さらに、作文内で「伏線回収」ができれば、さらに文章にスパイスが効いてくる。
「起・承・転」で巻いておいたタネを「結」で明かし、締めくくることができれば読者の心をガッチリ掴むことができる。
バランスのよい構成を維持しつつ、冒頭で読者を惹きつけ、伏線回収で最後まで読者の心を掴む。
ここまでできれば、間違いなく上級者だ。
あとは、実践あるのみ。
今回お伝えした手法が自然とできるようになるまで、お題を変えて繰り返しトライしてみよう。