この記事は前編の続きです。
本審査へ
物件の売買契約を締結したら、続いては住宅ローンに関する手続きを進めていくことになる。
このあたりは休む間もなく、スケジュール感はかなりタイトだった。
売買契約のエビデンスをつけ、住宅ローンの「本審査」の申し込みを行う。
本審査とは、単に返済能力だけでなく、物件の担保価値・健康状態の申告・団体信用生命保険への加入の有無などを含めた、より詳細な審査だ。
仮審査が通過していたとしても、(特にネット銀行の場合は)本審査で落ちることもあるため油断はできない。
万が一審査落ちとなれば、別の金融機関で借入をするか、ローン特約に基づく白紙解約となる。
また、仮審査時点よりも契約金額が安くなった場合については、減額して審査にかけることになる。
筆者の場合は、契約額が売出価格(仮審査時)より200万円程度安くなったため、本審査も減額して申請した。

このあたりは、仲介会社のサポートをもらいつつ申請したよ。
ネット銀行の場合は、一切の手続きがインターネットと電話で完結するため、わざわざ金融機関に出向かなくていい点はありがたいところ。
数日後、無事本審査を通過した旨メールが届き、ローンの確約を得ることができた。
金銭消費貸借契約
本審査を通過すると、金融機関との間で住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結するため、以下のような手続きが必要になる。
- 金銭消費貸借契約の手続き
- 残金の振り込み
- 司法書士面談
- 引き渡し前現地確認
- 火災保険の申し込み(任意)
これらは2〜3週間以内に済ませる必要があり、筆者は平日の仕事終わりや有給を使いつつ、コツコツと進めた。

できれば仕事の繁忙期と重ならないようにしたいところ!
金銭消費貸借契約の手続き
金銭消費貸借契約とは、買い手と金融機関の間の融資契約(住宅ローン契約)だ。
基本的なことだが、売主との間で売買契約が成立するのとは別に、金融機関との間でローン契約を締結する必要がある。
ネット銀行で申し込めば、このあたりの手続きは全てネット上のマイページで完結できる。
契約内容を最終チェックし、契約の申込ボタンをクリックすれば完了だ。
残金の振り込み
ローン実行日までに金銭消費貸借契約にかかる融資手数料や、不動産会社への仲介手数料(2分の1)といった、残金の振り込みが必要になる。
ただし、残金は売買契約時の手付金が充当されるため、用意する額としては少なく済む。
筆者の場合、残金の振り込みは7万円程度だった。

もっと取られるかと思った。拍子抜けしたぜ〜
トータルでキャッシュとして必要だったのは、「売買契約時の約200万円」と「金銭消費貸借契約時の残金約7万円」の計207万円ということになる。
司法書士面談
ローン実行日より前に、司法書士面談が必要だ。
面談といっても怖がる必要は全くない。
物件の登記や抵当権の設定について説明を受け、書類を確認・捺印するだけだ。
司法書士の選定や日程調整は仲介会社が行い、仲介会社の事務所にて司法書士・仲介会社・筆者の3者で面談した。
所要時間は30分程度であったが、筆者のような初心者にも丁寧に説明をしてくれたので、勉強になったというのが率直な感想。
司法書士面談時に必要なものは以下のとおりだ。
- 実印
- 認印
- 本人確認書類(運転免許証・健康保険証)
- 住民票の写し2通(家族全員記載・個人番号記載なし)
- 印鑑証明書2通
- 現在の住居の賃貸借契約書の写し
面談に際して1点だけ注意点がある。
司法書士より「いつから住み始める予定ですか?」と聞かれた場合、1ヶ月以上先の日程は言わないようにしたい。
あまり引き延ばしすぎると「本当に住む気があるのか?」と疑われてしまうためだ。
あとは司法書士の説明に則って、手続きを進めていけば大丈夫だ。
引き渡し前事前確認
物件の引き渡し前には、売主・買主・仲介会社の3者で現地の最終チェックを行うのが原則。
今回は売主さんは欠席であったが、売買契約時に捺印した設備表・物件状況報告書をもとに隅々まで確認し、気になる箇所は写真に収めた。
この時、電気やガス、水道も一時的に開栓してもらえたので、設備の動作チェックも可能だった。
火災保険の申し込み(任意)
引き渡しの時点から火災保険を適用させるには、この段階で保険の申し込みも済ませておきたい。
筆者はネット上で複数から見積もりを取り、低コストで必要な補償だけをつけられる「ソニー損保」を選択した。
保険を選ぶときには、不安になって色々とオプションをつけたくなってしまいがちだが、「本当に必要なオプション」だけをつけるようにしよう。
特に迷いがちなのが、地震保険の付帯の有無。
地震大国の日本で地震保険をつけないのは不安に感じるかもしれないが、筆者はあえて地震保険を付帯しない選択をした。
マンションであれば地震で倒壊するリスクはほとんどないうえ、上乗せ額に見合わない補償内容と感じたためだ。
このように、自分にとって本当に必要かどうか、また補償内容が見合っているかどうかを考えて選択することが重要だ。
ローン決済日
契約関係の手続きを終え、いよいよローン決済当日だ。
とはいっても決済日当日に立ち会う必要はなく、当日の朝に金融機関からの確認電話にさえ出られればよいとのこと。
そのため、大きなお金が動く実感はなく、思ったよりも”あっさり”という感じだった。
果たして、筆者は無事鍵の引き渡しを受けることができるのか。次回へ続く!