この記事は、前編の続きです。
交渉開始!
前回、筆者は不動産購入申込書を提出。一番手の順位を確保でき、売主さんとの交渉が始まった。
提示した条件
筆者が提示した条件は以下の通りだ。
- 売り出し価格が相場に対して割高であるため、適正価格まで落としたい(売出価格より200万円程度安い額を提示)
- 引き渡しは、現状のままで構わない
- 引き渡し時期は最短で良い(売主さんに合わせる)
- 住宅ローン特約をつける(事前審査承認済みのエビデンスは提示した)
まず、絶対に譲れないこととしたのは、適正価格での購入だ。
売出価格は相場に対してやや割高であったことから、なんとしても適正価格まで落とすことを目指した。
ただ、売出直後は売主さんも強気であることが多いため、価格交渉は通りづらい傾向にはある。
そのため、引き渡しの状態は現状のままで構わないこと、引き渡し時期も売主さんに最短で合わせられる点も併せて交渉の材料とした。
また、住宅ローン特約(ローン審査に落ちた場合に契約を白紙解約にする特約)をつけるにあたり、事前審査をすでに通過しているエビデンスも提示した。
(売り手からしてみれば、事前審査に通っている人に売った方が、白紙解約のリスクは低くなるため。ただし、現金一括で購入したいという方がいれば、負けてしまう可能性はある。)
そして、交渉にあたっては、売主さんの引っ越しの経緯などを教えてもらいつつ、「これなら強気でいけそうだな」とか「なかなか引き下がらなそうだな」などと考えながら、キャッチボールをする必要がある。
売主さんの応諾
交渉をはじめて約1週間。他の方の内見がひと段落ついた頃に、仲介会社から電話がかかってきた。
「提示した価格で、応諾いただけた」とのことだった。
多少の譲歩は必要かと思っていただけに、交渉がすんなりと通って安堵した。
もちろん交渉が通らない場合もあるので、その時はこちらが譲歩するか、潔く諦めるかの選択が迫られる。
中古マンションの購入で難しいのは、こうした判断に「即断即決」が求められる点だと感じている。
数千万〜数億円もの取引を、2〜3日で判断を下せというのは、一般人にとってはハードルが高い。
そのため、前編でも記述した通り、あらかじめ「どこまで妥協できるか」を決めておき、判断の軸がブレないようにする必要がある。
手付金・仲介手数料の半額を入金
交渉が成立したら売買契約に移るが、その際、売主には「手付金」を支払う必要がある。
手付金というのは、売買契約を締結する際に支払う物件本体の一部金であり、契約の成立を担保する役割がある。
売買契約後にどうしても解約する必要がある場合には、手付金を放棄することで解約が可能だ。
一般的には、手付金は物件価格の5〜10%に設定されることが多い。
(住宅ローンを使用する場合は住宅ローン特約を付するのが通常であるため、万が一審査が通らなかった場合は、手付金も含めて戻ってくる。)
手付金は売買契約締結の際に支払うものであるが、売主・買主双方の合意のもと振込で行うのが通常だ。
筆者の場合は、売買契約締結日の前日までに、仲介会社指定の口座に振り込む必要があった。
また、併せて仲介手数料の半額も振り込む必要があったため、200万円ほど振り込んだ形だ。

これ以降は引き下がれないから、流石に緊張したよ
売買契約締結
売主さんとご対面!
無事、手付金の着金も確認でき、いよいよ売買契約当日。
内見時に空室であったため、売主さんとはここで初めてのご対面だ。
売主・仲介会社・買主の3者で立ち会い、売買契約書・重要事項説明書・諸注意などをじっくりと読み合わせていった。
2時間程度はかかっただろうか。
長丁場ではあったが、疑問点を解消し双方が納得した上で、各書類に記名・押印をしていく。
売買契約に必要なもの
売買契約時に必要なものは、以下の通りだ。
- 実印
- 収入印紙
- 本人確認書類(運転免許証・健康保険証)
- 住民票(家族全員記載・個人番号記載なし)
- 住民税課税証明書or住民税決定通知書
契約当日は、認印ではなく、市区町村役場で印鑑登録をしている「実印」を使う。
そのため、かなりタイトではあるが、契約日までに実印をつくり役所に届け出ておく必要がある。
また、収入印紙も高額なものとなるため、郵便局で購入する必要がある点も要注意だ。(コンビニでは高額な印紙を取り扱っていない場合がほとんど)
郵便局は、開局している時間が決まっているので、早めに準備しておきたい。
なお、住民票・住民税課税証明書については、マイナンバーカードがあれば、コンビニエンスストアですぐに取得できる。
役場で発行されるものと若干形式は異なるが、問題なく利用できた。
売買契約時の書類
売買契約にあたっては、あらゆる箇所に記名・押印をする必要がある。
契約当日に記名・押印をした書類は以下の通りだ。
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 媒介契約書
- 設備表
- 物件状況報告書
上記以外にも、当日は手付金の受領証や登記簿の写し、補足資料等を受領した。書類はファイルにまとめて入れておき、紛失しないように気をつけたいと思う。
売買契約成立
記名・押印が一通り終われば、これにて売買契約は成立となる。
最後に住宅ローンの審査など、今後の手続きの案内を受けて終わりだ。
2時間程度は見ておく必要があるが、人生で数回もない貴重な経験であり、筆者はあっという間に感じた。
ここからは、いよいよ住宅ローンの本審査に入る。審査落ちとなると、せっかくの売買契約が白紙となってしまうが、無事に審査を通過させることはできるのか。
次編へ続く!