「若いうちからローンを組んで大丈夫なの?」
「結婚とか転職とか、将来が定まっていないのに、家なんか買ってどうするの?」
もう、耳にタコができるほど聞いてきた。
それでも筆者(25歳)は、確固たる意思で中古マンションを購入することにした。
なぜ、若くしてマンションの購入にこだわるのか。賃貸でダメな理由は何か。
複数回にわたる「25歳、中古マンションを買う」シリーズでは、引き渡しまでの実体験を包み隠さずお伝えしていきたい。
これからマンションを買おうと考えている方、若いうちにローンを走らせることに不安を感じている方は、ぜひ最後まで見ていってほしい。
25歳で中古マンションを買おうと思ったワケ
若いうちから家を買うことに対して、抵抗感がある人は多い。
世間では、ある程度年齢を重ねてから購入すべきという意見が多数派だろう。
しかし、筆者は、これまで常識とされてきた根本的な部分を疑うところから始めている。
「本当に、生活スタイルが定まってから買うべきなのか?」
「借金はできる限り早く返すべきというが、本当にそうなのか?」
たどりついた結論は、親世代の価値観からしてみれば真っ向から反対するものだった。
「できる限り若いうちに、一刻も早く家を買え」
筆者がこうした考えに至ったきっかけは、決して親世代への反発心からではない。
若くしてマイホームを持つ”合理的な理由”があるのだ。

反抗期じゃないよ!
若いうちから不動産を持つべき理由
資産形成が可能
家は、生きていく上で欠かせない場所である一方、「資産」としての側面がある。
都心のマンション価格が上がり続けているというニュースを見たことがある方も多いだろう。
もしこの時、資産性の高い家を所有していれば、物件価格上昇の恩恵を、住んだだけで享受することができたのだ。
また、購入時より物件価値が下がっていたとしても、住宅ローンの残債割れさえ防げていれば、賃貸よりもお得になるパターンはある。
「いつかはマイホームを買いたい」と思いつつ、指を咥えて傍観していた方は、価格上昇により手が届く物件が無くなってしまったケースも多いだろう。
リスキーと思われがちな若いうちの住宅購入は、自身の資産形成にも寄与するきわめて”堅実”な選択肢になり得るのだ。
(持ち家と賃貸のどちらが得か、詳細は以下の記事で説明しているので、参考にしてほしい。)
住宅ローンは組めるうちに組むべき
大抵の場合、物件の購入に際しては「住宅ローン」を利用することになる。
特に、若いうちは保有資産が少ないため、住宅ローンをうまく制することができれば、資産形成の背中をグッと押してくれる。(レバレッジを効かせるともいう)
なんといっても、住宅ローンのメリットは、「長期」かつ「低金利」で「若いうちから組める」という点だ。
資産性を意識し物件を購入できれば、残債を上回った分の含み益を、住んだだけで得ることができる。
一方、住宅ローンが与信MAXで組めるのは、「健康」な状態で、「継続して2〜3年間程度安定した職についている」場合に限られる。
「生活スタイルが定まってから買えばいいじゃない」という人もいるが、自分が30代・40代の時に健康で安定した職を続けている保証などどこにもない。
後々の自分を楽にするという意味でも、今のサラリーマンのメリットをいち早く掴みにいくべきなのである。

将来の選択肢を広げることになる
そして、なんといっても、家を買うことによって将来の選択肢を広げることができる。
一般的には、家を買ってしまうと身動きが取れなくなってしまうと考えられがちだ。
しかし、筆者はむしろ逆だと考えている。
転職・独立を考えた時、今の仕事を辞めてしまえば、安定して数年間働き続けるまでは、家を買うという選択はできない。
また、信用情報にキズがついてしまえば住宅ローンの審査は厳しくなるし、体調を崩して休職をすれば、組める額は少なくなる。
こうして、資産形成の機会をみすみす逃し、賃貸のままキャッシュアウトし続けるのは非常にもったいない。
将来のことがわからないからこそ、早いうちに住宅ローンを走らせることで、リスクを軽減することができるのだ。
経験値のUPに
ここまでは、物件を「資産」として考えた時の話をしたが、住まいの満足度や経験値が上がる点も忘れてはいない。
早くから満足度の高い暮らしをスタートさせることができれば、人生はより豊かになる。
そして、若いうちに不動産を購入するという経験が、自分という価値そのものを高めることになるとも考えている。
例えば、不動産購入に際しては良質物件の目利きが必要だし、交渉にあたっては相場感を掴む必要もある。
こうしたスキルや経験を有する若者は少ないからこそ、自分にとっての一つの強みになり得るのだ。
物件選定
このように、筆者は購入する物件さえ間違えなければ、充分に投資対効果が見込まれると判断した。
では、どのように物件を選定しようか。
一般的に住宅ローンは年収の7倍程度まで組めると言われており、年収の低い若年層が買える物件は限られてくる。
(ペアローンや収入合算を使うなら話が別だが、一馬力かつ一次取得層には厳しい市況である。)
また、無理な資金計画を立ててしまうと、金利上昇への対応が厳しくなるため、背伸びは避けたいところ。
そこで、筆者は、物件に求める「必須条件」と「推奨条件(妥協点)」で分類することにした。
必須条件
ある程度の資産性
マストで押さえておきたいのは、ある程度の資産性が維持できることだ。
決して投機目的で購入するわけではないが、中長期的に見て残債割れが防げる程度の価格維持が期待できることは必須としたい。
多くの人に評価される、需要の見込める物件であることは、将来の選択肢を広げる上で鉄則となる。
そして、このような物件を「適正価格」で買うことにこだわった。
万が一相場よりも著しく高い物件を掴んでしまうと、残債割れのリスクが生じるためだ。
筆者は、「マンションレビュー」というサイトで示されている平均坪単価を参考に、適正価格の判断をしている。
たとえば、平均坪単価200万円のマンションで、坪単価300万円の部屋が掲載されていれば、よほどのプレミアムがついていない限り「割高」と判断できる。
(なお、マンションレビューは売主の提示価格しかわからないため、実際の取引価格はこれより安くなる点も考慮に入れておこう。)
ここまで押さえておけば、大きく外すことはないだろう。

生活利便性の高いマンション
自らが住む以上は、快適な生活が送れる利便性の高い物件を手に入れたい。
資産性を追求するがあまり、自分にとって愛着の持てない場所には住みたくないため、資産性と満足度が両立できる場所を探した。
例えば、資産性の高い街だったとしても、通勤地獄に見舞われるのであれば避けたい。
駅から遠い物件は、疲れている日や天候の悪い日の帰宅を考えると、自分には合わないと思っている。
こんな感じで、マイナス面から徐々に選択肢を狭めていき、住みたい街・物件を選定していった。
悪いシチュエーションから想定していくと、買った後の後悔は少なくなると思われる。
無理のない資金計画
そして、やはり無理は禁物。
上記を両立した上で、無理なく支払いが可能なことを必須条件とした。
毎月の支払額(管理費・修繕積立金含め)を、月収の3分の1程度に抑え、金利上昇にも耐えうる資金計画とした。
ゆとりある資金計画であれば、転職や起業、病気による収入減にも備られる。
(固定資産税をはじめ持ち家はランニングコストが多くかかるため、目先のキャッシュフローにも注意したい。)

妥協点
新築にこだわらない
逆に、上記の必須条件を叶えるために、筆者が妥協したポイントを紹介しよう。
まずは、新築にこだわらないということだ。
資材や人件費の高騰で、新築マンションの価格は軒並み上昇している。
資産性が期待できる新築マンションは、もはや一次取得の若者にとっては手の届かないものとなっている。
一方、中古に目を向ければ、多少のリフォームは必要としても、手頃な価格のマンションを見つけやすくなる。
状態が良いに越したことはないが、中古を見てみると選択肢が広がるのでオススメだ。
5年程度は住み続ける前提
マイホームは初期費用が重いため、基本的には「買ってすぐ売る」という即転売ムーブは避けた方が良い。
そのため、購入してから5年程度は住み続けるという前提で、着実に残債を減らすことにしたい。
すぐに引越しができないのはデメリットだが、幸いにも筆者は全国転勤があるタイプの仕事ではないため、この点はネックにならなかった。

よほど資産性が高くないと、短期売却は損する可能性大!
部屋の広さ・間取り
70〜80m2の広い部屋に憧れはあるが、筆者は現時点で必要なサイズ感で探すことにした。
これは、生活利便性を取るためにはやむを得ない妥協だった。
生活スタイルが変わり、今よりも広い部屋が欲しくなれば、その時考えることにする。
内見の申し込み
ここまでで、自分の中での「譲れないポイント」と「妥協できるポイント」を分けることができた。
あとは、希望条件に合った新着物件が掲載されていないか、SUUMOをほぼ毎日チェックした。
ビビッときた物件が掲載されれば、迷わず内見をいれる。これまでに4物件は見学をした。
いずれも、価格面や部屋の状態で断念したが、「五度目の正直」となるか。
次編に続く!