象印のオーブンレンジ「エブリノ」を半年使った感想【正直レビュー】

QOL

忖度なしに製品をレビューする「正直レビュー」シリーズ。

今回は、象印製のオーブンレンジ「エブリノ」を購入して約半年が経過したので、良かったところ・期待はずれだった部分を述べていきたい。

筆者が購入したモデル

筆者が購入したのは、こちらの機種だ。

EVERINO ES-JA23-WA(購入時:税込39,850円)

象印は2022年、17年ぶりにレンジ分野に再参入した。他社にはない特徴的な機能・デザインが話題となり、販売は好調のようだ。

実際に使ってみてどうだったのか、筆者の感想を述べていく。

総評

結論から言うと、筆者の当初の期待度を100点とすると「130点」をつけたいと思う。

筆者の中ではかなりの高得点だが、その理由は何か?

もちろん、後半ではイマイチだった部分も述べていく。

良かったところ

基本機能に不便がない

まず、(当然と言えば当然ではあるが)レンジ・オーブン・グリルといった基本機能は、申し分ない

レンジ機能を使ってみたところ、レトルト食品や冷凍食品については、「パッケージの表示通り」のワット数・時間設定で、中まできちんと熱が通る。

他社製のレンジだと「ちょっと足りないから、あと10秒追加しようかな」という事態が発生することもあるが、エブリノではそういったケースはほとんどない。

また、解凍についても「全解凍」・「半解凍」の2つのモードから選択することができ、こちらも便利だ。

半解凍は、冷凍した肉を包丁で切りやすくする程度に解凍するのにちょうどよい。

また、自動モードについても、他社製品に劣ることなく精度は極めて高い。

筆者の環境では「冷凍ご飯あたため」を頻繁に使用するが、ラップに包んだご飯も一発でホカホカだ。(お好みに応じて「弱・中・強」が選択できる。)

「冷凍トーストあたため」についても、途中でパンを裏返す手間はあるものの、ご覧の通り香ばしく焼き上げることができる。(こちらも「弱・中・強」から選択可能。)

筆者はきつね色になるまで焼くのが好みなので、「強」を選択。

とにかく「サクレジ」が神機能!

そして、筆者が象印製のオーブンレンジを購入する動機にもなった「サクレジ」機能。

このサクレジ機能が、とにかくよい。

サクレジ機能について簡単にご説明すると、自動でレンジとグリルを使い分け、揚げ物をカラッと揚げてくれる機能だ。

象印のHPより:https://www.zojirushi.co.jp/syohin/kitchen/oven_range/everino_gu_ja/sakureji/

よく、「レンジで温めてから、トースターに移し替えて、トースターで焦がしてしまった…」というケースがあるが、この機能のおかげでボタン一つで全てが完結するようになった。

買ってきたスーパーのお惣菜や、冷凍した揚げ物も、まるで揚げたてのような仕上がりになる

冷凍コロッケもサクサクに!
「揚げたて」のような仕上がり

精度も非常によく、まだ中が冷たいとか、焦がしてしまったということはほとんどない。

筆者のように、スーパーでお惣菜をよく購入する方にとっては、ぴったりの機能だ。

「レンジはすぐ温まるけど、食材がフニャフニャになる」「トースターはカリッとするけれど、中まで温まらない」という両者のお悩みを、エブリノで解決できる。

また、「レジグリ機能」もたまに使うが、こちらも不自由なく使えている。

サクレジに似ているが、あらかじめ「レンジ→グリル」・「グリル→レンジ」の順番を選択し、ワット数と時間を設定すれば、あとは自動で切り替えてくれる。

ダイヤル式は使いやすい!

そして、これらの機能を使いたくなる理由は、なんといっても”操作が簡単”ということにある。

ご覧の通り、直感的で使いやすいダイヤル式で、反応もキビキビしており、ストレスなく操作が可能だ。

基本的な操作は、左右の2つのダイヤルで行う。

一見アナログな操作方式にも思えるが、ダイヤルを回すとカチカチと適度にストップが効き、止めたいところで止まってくれるため、非常に使い勝手が良い。

他社の上位グレードでは、なぜかタッチパネル式を採用している機種が多いが、操作性はダイヤル式に軍配が上がる。

また、前述のサクレジ機能も、「サクレジ」ボタンを押す→「スタート」を押すだけの2ステップなので、とても簡単だ。

使えない容器が一目でわかる

表示についても、おおむね満足している。

左のダイヤルでは、今選択しているモードがオレンジ色で点灯するので、間違えることがなく安心だ。

また、液晶表示についても、今のモードで使えない容器の種類が表示され、こちらも安心だ。

使えない容器を「×」で表示してくれる。

また、液晶表示は、白黒反転表示のバックライト付きで視認性も良く、暗めのキッチンでも使うことができる。

インテリアに馴染むデザイン

そして、いい意味で”レンジらしさ”がないところが特長だ。

デザインは、マット調のホワイトで、左右にダイヤルが2つあるだけの「ミニマルな」デザインとなっている。(ブラック系のカラーもある)

これにより、どんなインテリアにも馴染むデザインで、キッチンに置いても主張しすぎることがない。

メニュー番号については、見たい時にだけトレーを引き出して見ることで、見た目のスッキリさと機能性を両立している。

メニュー番号をトレーに印字するのは、画期的なアイデアだ。

他社のレンジはカラーが派手であったり、前面にメニューが印字されているもの、ボタンが多いといった、ごちゃごちゃした印象を与える機種も多かった。

その点、エブリノは外観でも他社と差別化ができており、おしゃれな部屋にも置きたくなるようなデザインだ。

期待はずれだったところ

上述のように、筆者は本機種に非常に満足しているが、「ここはちょっと…」という点もあるので、正直に述べていきたい。

これから購入される方には、これらの点を念頭に置いてから購入されることをおすすめしたい。

メニュー番号での表示はうーん…

まず、「液晶表示」については、視認性も良くおおむね満足しているが、メニュー番号が「数字」でしか表示されないのは、ちょっと微妙だ。

例えば、よく使う「冷凍ご飯あたため」の「2番」、「トーストあたため」の「9番」あたりは暗記できるが、それ以外は都度トレーを引き出し、メニュー番号を確認しなければならない。

メニュー番号だけだと、ぱっと見でわからない…?

正直、「番号」ではなく、ディスプレイに「メニュー名」そのものを表示してくれたらなあ…と思ってしまうが、中位グレードのレンジに求めすぎだろうか。

鉄板が重く感じる

サクレジ機能をよく使う場合には、揚げ物の油が出るので、鉄板を都度洗うことが必要になる。

ただ、この鉄板はやや重く感じる(約1.7kg)。

これは、実際に家電量販店などで持ってみることをおすすめする。

26Lの大型モデル・筆者の購入した23Lの中型モデルのどちらも同じ約1.7kgとされているが、店頭で持ち比べた際には、大型モデルの天板は特にズシっと感じた。

内部の塗装が剥げやすい

これは、次期モデル以降改善してほしいポイントだが、内部の塗装が剥がれやすい

庫内を軽く拭いただけでも、ご覧のように塗装が剥げてしまった。

また、庫内に鉄板のスレ跡が残るのも、残念なポイントだ。(スレ跡は布巾などで軽く拭けば、落とすことができる。)

終了後のファンの音が気になる

次に、稼働中〜稼働後の音が気になることがある。

稼働後、庫内を冷却するためにファンが回るが、この音がそこそこ大きく時間も長い

これは安全のため仕方がないことかもしれないが、気になる人には気になるポイントかもしれない。

もくもく
もくもく

グリル機能を使うと、ファンがかなり回るね。

おすすめできる人・できない人

  • 「サクレジ」機能を使い倒したい方、一人暮らし・共働きには超おすすめ!
  • オーブン機能が充実したものを使いたければ、他社の製品も選択肢に。
  • 4万円前後で探しているなら、エブリノはコスパ最強

では、実際に筆者が使ってみて、エブリノをおすすめできる人・できない人をまとめてみたい。

まず、「サクレジ」機能に魅力を感じた人は、エブリノを選択して後悔はないだろう。

特に、スーパーのお惣菜・揚げ物を買ってきて家で食べる機会が多い方など、「タイパ」を重視する一人暮らしや共働き世帯にはぴったりだ。(トースター要らずにもなる)

また、4万円という価格を考えれば、十分コスパの良い製品ともいえるだろう。

一方、オーブン機能を使って、時間をかけていろいろな料理をつくりたい!という方には、他社製のオーブンレンジも選択肢に入ってくる。

レンジ界における覇権争いの構図を塗り替えるかもしれない「象印」。今後もどんなアップデートをしてくれるのか、楽しみでならない。